リン・オールデン:お金と銀行の仕組み(そして、壊れている理由)


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お金と銀行の仕組み
そして、今では壊れている理由
今日の世界には160以上の通貨があります。
そのほとんどの供給が迅速に増加しています。
それにより、人々の貯蓄と賃金を永続的に、目に見えない形で薄めているのです。
そして、価値を吸い上げ、他者に移しているんです。
お金は印刷されるか、貸し出されて存在するようになります、
企業利益のため、銀行のため、あるいは腐敗した役人のためです。
そして、その購買力が大衆から取り上げられるのです。
税金よりも意図的で、より微妙でわかりにくい形でです。
人々がより良いお金を求めて地域外に行こうとすれば、
資本規制やその他の摩擦点が、それを押し留めようとします。
富裕な国でさえ、すべてが良いわけではあいません。
インフレはそれほどひどくないかもしれませんが、
時とともに、お金はより少人数の手に集中するのです。
そして、政府にはより負債が積み重なり、
政治的二極化が進みます、
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誰も合意できないからです、誰がこれを起こしているのか、なぜ起こっているのか。
テクノロジーの改良が、時とともに物事を安くするはずですが、
中央銀行のインフレ政策は、物価の継続的上昇を確実にすることです、
システム内の通貨量を継続的に拡大することでです。
お金は我々全員に影響します。
契約をしたり、経済活動をしたり、
将来のために自身の購買力を貯めるためにです。
世界は多くの分野で改善されていますが、
お金それ自体は、破壊され続けているのです、世界のほとんどの人にとって。
私はリン・オールデンです。
これからお話しすることは、理解のために私が膨大な時間を費やしたことです。
私は貧困の中で成長しましたから、
若い時に、貯蓄と投資に強い関心を得られました。
成人してからは、夫と共に毎年、米国とエジプトを行き来しています。
彼との共通の出自、家族、友人が両方にあるからです。
ですから、私はトラブルを直接的に見るわけです、壊れたお金の起こしうることをです。
先進国ではより微妙に、途上国ではよりあからさまにです。
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私は現在、職業として国際金融システムの分析と投資を行っています。
しかし、それ以前、私はエンジニアとして複雑システムを分解して理解していました。
私はお金もまた一つのシステムだと見ています。
理解するには分解する必要があります。
この動画は、このトピックに関する、私の収集した知識のまとめが目的です。
より詳細に見るには、私の本「Broken Money(壊れたお金)」をお読みください。
「金融システムが破綻した理由と、どうやれば改善できるのか」というものです。
マネタリーシステムを上から下まで理解するには、
下から始め、上に昇っていく必要があります。
複雑さは省いて根本的な疑問を投げかけましょう。
お金とは何でしょうか?
その場での商品の取引(物々交換)は難しいですね、
成功より失敗の可能性が高いからです。
あなたには、ヤリが余分にあり、毛皮が欲しいとし、
私には、毛皮が余分にあり、ヤリが欲しいとすると、
これは比較的に稀な状況ですね、両者のニーズが一致しているわけです。
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この物々交換システムを、5つの製品を生産する経済に拡大すると、
その結果、10のユニークな取引ペアが生まれます。
20種類の商品では、190の取引ペア、
100種類の商品では、4,950に増加します。
明らかに、より効率的な取引方法が必要ですね。
一つの解決方法は、取引のタイミングをより柔軟にすることです。
あなたにはヤリが余っており、毛皮が欲しいとします。
私はヤリも毛皮も余っていますから、あなたから何も欲しくはありません。
あなたから毛皮が欲しいと言われた場合、
何かしらをあげられます。
ただし、後日何らかのお願いをするということにするのです。
これは「柔軟な社会的信用」と呼ばれます。
家族や友人との場では、社会的信用の形として贈り物が交換されますね、
特に返済を期待することなくです。
そして、閉じた関係の外では、
人々は誰が役に立ち、誰が負担なのか把握しています。
好かれているコミュニティメンバーが助けを必要としているときには、
他の人は寛大に提供してくれます、
必要とする人に、社会的歴史があるからです。
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大規模な場所では、信用システムは、より正式なタイプの信用に準拠します。
これらのシステムでは、人は現在の価値を借りることができます。
しかし、後の返済を約束せねばなりません。
そして、多くの場合、何らかの自治体が、クレジットの取り扱いに関する規則を定めています。
例えば、パン屋が肉屋から肉を欲しいとします。
しかし、肉屋は既にパンを持っています。
パン屋は、「パンクレジット」を作れます。
各クレジットは、将来パンと交換できるという約束です。
この「パンクレジット」が約束を維持すると肉屋が信用するなら、
取引を行います。
しかし、肉屋にはいくらかのリスクがありますね。
この場合、パン屋が営業を続けることを信じるわけです。
別の解決策としては、お金のような商品を使うことです。
あなたの欲しいものを持ち、その人が欲しいものをあなたが持つような人を見つけるのではなく、
持ち運び可能、分割可能、耐久性があり、希少で、広く望まれ、普遍的な商品を使うことができます。
あらゆる取引の一方の側としてですね。
狩猟採集民は、貝殻の宝石ビーズを一般的通貨として使っていました。
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これらは小さく、長持ちし、身に付けられ、作るのが難しく、広く望まれるものでした。
人々は、今持つものより多くの貝殻のジュエリーの入手に興味を持っていたのです。
貝殻の大きさ、着用しやすさ、美的魅力、時の経過でも維持する価値によってです。
では、あなたはヤリが足りないでしょうが、今のところ私はあなたから欲しいものはありません。
私は代わりに貝殻ジュエリーを要求するかもしれません。
私にとって今は特に必要ないとしても、これを着用できますし、
後になって、何かしらの必要があれば、
取引のときにこれを提供できるわけです。
商品貨幣が進化するにつれ、金貨と銀貨が多くの帝国で人気を博しました。
これらの薄いディスクは、標準化された形状、重量、細かさに準拠しており、
使用者にとって検証が容易です。
そして今度は、取引の効率を高めることになったのです。
硬貨が他の形態の商品貨幣よりも優位に立つ理由は3つあります。
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第一に、金と銀は、他の商品に比較して供給増加が難しいことです、
そのユニークな特徴によってですね。
二番目として、大きさと純度が保証された貨幣(という形)が、金や銀を取引に使いやすくしました、
未加工の金属の塊よりもです。
第三に、国内発行の硬貨の受容性と流動性は、一般に外国硬貨よりも高いのです。
これにより、地域内で標準化された単位が広く受け入れられるようになります。
結局のところ、お金とは何かという問いに対する答えとしては、
お金とは、支払いと貯蓄の台帳なのです。
古代のマネタリーシステムは通常、
商品貨幣と信用商品が混ざったものでした。
商品貨幣が表すものは台帳ですね。
その属性と制約は自然法則によって支配されます。
そして、社会標準単位を決定するのに役立ち、
これで取引が行われることになったのです。
商品貨幣を自身の所有物とすることは、
独立して価値を保管する方法としても機能します。
他の人の継続的な記憶や責任に頼ることなくなくです。
その一方、様々な信用契約は人間の管理する共有台帳を表しています、
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口頭でも書面でもですね。
これが、取引をよりいっそう効率的にしました。
知り合いどうしの間、または共通の権威の支援の下でです。
これが銀行業の台頭につながりました。
中世の頃、中東や北アフリカで人気のあった紙ベースの金融商品としては、スフタジャ(Suf Taja)でした。
ハワラ(Hawala)と呼ばれるシステムの進展において重要な役割を果たしていました。
この協定に基づき、ある都市でハワラダー(Hawaladar)という両替商が営業していました。
その同業者が別の都市にいます。
個人がお金を都市間で受け渡すには、
地元のハワラダーにゴールドを預け、自分または受取人が同じゴールドを得られます、
別の都市のハワラダーからです。
このシステムはハワラダー間の信頼と信用のネットワークに依存していました。
長距離送金の効率と安全性の向上を強化したのです。
確立した関係のハワラダーは、顧客に代わって定期的に信用取引を行っていました、
互いに精算し合う機会は少なかったもののです。
しかし、より安全な状況下でした。
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このシステムなしでは、商人はかさばり、安全でない量のゴールドを都市間で頻繁に輸送しなければなりません。